…胸がやけに苦しく………
そして、とても速く………
鼓動を打っていた。
久しぶりの感覚…
でも、違った。
昔憶えた、あの胸のときめきとは全然違う。
胸の締めつけが苦しい…
このドキドキと胸打つ鼓動が…
警告しているように思えた。
この人はダメ………
この人だけは………
好きになってはいけない…
あたしに警告を促しているようだった。
嫌な胸のざわめきを覚えて…
あたしは不意に視線をはずした。
…ダメだ………
この人は………
ヴァンパイアなんだ。
人間じゃない。
それでなくとも…
学校の王子様だよ?
そんな恋…
報われるはずがない。
自分を言い聞かせた。
…ダメなんだ………
「…先輩、あたしそろそろ帰ります。
長い間お邪魔させて頂くのも、申し訳ありませんし………」
あたしは、これ以上この場にいたくなくて…
ソファから立ち上がった。
「どうして?」
「え?」
「どうして帰るの?」
「いや…、それは………」
…だから!!!

