「…恥ずかしいことに………
ないんだよね、恋自体が。
ヴァンパイアがそうそう恋愛できるわけでもないんだけど…」
「…ないんですか?」
「ほんとはね」
………意外……………
先輩は頬を赤らめてる。
純粋なんだ………。
あたし、絶対どっかでは女弄んでると思ってた。
…先輩、誤解しててごめんなさい………
「ヴァンパイアって、恋愛できるものじゃないんですか?」
「人の生き血を吸う悪魔だよ?
恋をしたとしても………
その相手を傷つけるだけなんだ。
きっと、血を吸ってしまうからね」
「…そんな………」
恋も…、できないんだ………。
ヴァンパイアって、哀しい生き物なのかな…
直接愛には触れられない。
人を愛してはいけない………。
「先輩…、好きな人が………」
「…いるよ。
一目惚れしちゃってね。
こればかりはどうしようもない………」
先輩は悲しい顔をして俯いた。
想いを………殺すしかないんだ………
どこかで聞いたことがある。
吸血鬼に血を吸われた人間は、吸血鬼になるって…
先輩、優しいから。

