先輩に話しながら、当時のことを思い出した。
あの美里を見た卒業式の日の翌日、親しかった友達から連絡があった。
あの憧れの人もあたしのことが好きだったらしく…
卒業式に告白するつもりでいたらしい。
きっと、以前のあたしなら泣いて喜んだはず。
でも、そうはいかなかった。
美里がわざわざ姿を見せてくれたにしろ、まだ無気力な状態。
それも助けてか、逢いに行こうとかはちっとも考えなかった。
考えさえ出てこなかった。
“ふーん、残念だったなぁ…”
それぐらいにしか思わなかった。
…あたしは、恋をしている自分にただ酔っていただけなのかもしれない。
乙女になってる自分に。
そのことを聞いた時、全然冷静だった自分に一番驚いた。
“あの人のこと、あんなに好きだったのに…”
“何度こうなることを夢見てきたか…”
いろんな思いがめぐったけど、結局思ったことがあった。
“次の恋は、彼と一緒に
死んでも構わないと思える。
そんな一世一代の恋にしよう”
…そんなことを、確か高校生になる前に決めたっけ。

