「あはは。
美しいだなんて大げさだな。
ヴァンパイアの容姿は死んだ時の姿のままなんだ。
ヴァンパイアは死んだ人間がヴァンパイアとして、蘇ったものだからね」
そうなんだ…。
じゃあ、先輩は死んでからヴァンパイアとして生き返ったんだ。
「まぁ原則としちゃ顔が綺麗なヴァンパイアしかいないけどね。
人を惑わす悪魔だから」
「…悪魔と人間は恋しちゃ……いけないんですよね?」
「…どうかな。
でも、ヴァンパイアだって恋はする」
ヴァンパイアが恋…?
悪魔なのに………
「ヴァンパイア同士で?」
「いや、ほとんどが人間。
ヴァンパイアの餌場となるこの人間界にきて、ひとりの女性を愛してしまうのがほとんどだよ」
…“愛してしまう”………
その言葉がやけに虚しく、あたしの心に響いた。
愛しちゃいけないの…?
そりゃヴァンパイアは人じゃない。
でも…、先輩を見る限り、人と全く同じ“感情”というものがある。
理屈では言い表せれない、いろんな感情を抱くんだ。
…なのに、どうして………?
どうして、人を愛しちゃいけないの………?

