「…ぷぷっ」
「あははっ!」
なんとなく可笑しくて、2人して笑い合った。
「なんか可笑しいですね」
「ほんと笑えるね!
おかげで久々に笑ったよ」
笑っても本当に綺麗な顔…
王子先輩、こんな顔して笑うんだ。
「…にしても、この格好のまま帰ったら日向さん目立つんじゃない?
ここから家まで近いの?」
「はい、結構近いです。
でも…、10分ぐらいはかかるなぁ…」
「この先人通り多いところだから、目立つでしょうし…
あ、僕の家が近いから乾かしていく?」
「えぇ!?」
王子先輩の家に!?
恐らく豪邸だよね!?
あんまりこの近くに豪邸なんてなさそうだし…
結構遠いんじゃ…?
「決まり!
ちょっと僕の目見てくれる?」
「えぇ!?」
目を!?
目を…?
…目を………
…あれ………?
頭がクラクラして………
「はい、日向さん。
前に進んで………」
「はい………」
先輩に手を取られたまま、前に進む。
なんとなく意識はあるんだけど朦朧としていて視界もぼやける。
なんでだろう………

