迷子にならないようにリアの後を必死に追いかけること2、3分。
やっとリアは本棚の一角で足を止めた。


「ここ?」


俺が不思議そうに聞けば
リアは頷いた。


「確か…古代召喚術ってタイトルの本が…」


そう言うとリアは真剣な顔をして探し始めた。
俺にはさっぱり分からない文字列。
どうやら、言葉は理解できても文字はダメみたいだ。


「あったわ!!」


ボケーっと本を見つめていると
リアの声が聞こえた。
そちらを見つめれば、一冊の本を持ったまま
俺の方を見つめていた。


「イチ、これよこれ!!」


床に座り込んで、リアは本を開く。
俺もリアに近づいて本を覗き込んだ。

……。
まぁ、分かるわけないんだけどね。
文字、読めないし。
ってか、言葉分かるのが奇跡に近いし。

一瞬期待して本を見てしまった分、
俺はちょっぴり恥ずかしくて一人苦笑した。