「きくちゃん?」

ふわふわした声の主を何処かで聞いたことがある。

「やっぱり、きくちゃんだ」

「…安岐さん?」

相変わらず、可愛らしくて綺麗な安岐さんが、私の顔を覗いている。

「たかちゃんから聞いたよ~。いっぱい教えてあげる」

私の腕を掴まれ安岐さんは歩き出した。