ドアの開く音が聞こえる。
きっと村上が帰っときた。

いつもの村上がいるのだろう。同じ事の繰り返しを何回も俺達はしている。

「…ごめんな」

俺の顔を見るなり切れた口端を手に触れる。

「おかえり」

寂しい寂しい村上。
不器用な村上。

俺は、優しく村上を抱き締めた。

「安岐…捨てないでくれ…」

「捨てないよ。
村上も俺の事捨てないでね」



●end………?●