「あたしもさあ教えるから教えてよ。」
「えー。嫌。」
きっと、よっぽど秘密にしたいことなんだ。
「ちぇっ」

「それより君、もう9時回ってるよ?」

「いいよ、学校泊まる。」
「親は?いないの?」

「いなぁ〜い」

「嘘やろ。」

「ちょっとうそ。」
舌を出して悪戯っ子のようにした。
「なんやそれ!」
ブハッと笑った。
「親はいるけど心配してくれる親はいない。」
「ふーん。俺も実は泊まりがけなんだよね。」
「嘘?」
「ちょっとうそ。」
さっきのあたしとおなじようにした。
「君が心配だから俺も泊まる。」