月が西に傾き、東はうっすらと明るくなってきたころ、砂名は湯浴みを終え、髪を梳いていた。




隣には既に眠っている砂希が寝息をたてている。砂名にはまだ、先ほどの余韻が体に浸っていた。






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『あぁっ、幾斗様…っ』



『……っ、砂月…』






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情事が終わったことに気づいたのは、目が覚めた時、幾斗の腕の中にいたときだ。



あまりの激しさに気を失ったらしい。



もぞもぞと暖をとるように幾斗の胸板に頬をよせると、幾斗が目を覚ました。



その後、今夜もまた来ると言って、幾斗は足早に去って行った。



かぐわしい香りを残して…