「はあぁ…。」


「莉子…?」
俺達は一度、莉子の実家に帰った。
目を覚ますまでかなり時間がかかるって言われたから…。


「ごめんなさい。
公平に心配かけて。」


「そんな事ないよ。」


莉子の小さな肩を、そっと抱き寄せた。

「母がね?もしかしたら、畑を売るかも知れないって…。」

「えっ!?」


「仕方ないわよね…。妹は…妹の佳歩(カホ)は既に嫁いでいて、旦那の転勤で今鹿児島にいてね。
私以外いないの。
母一人では無理だし……。」


そんな事情が有ったなんて…。