「さ、もういいでしょ?自己紹介は。
お父さんは、まだかかりそうなの?」


莉子の一言で、さっきまでの寒々とした空気が消えた。


「お父さんはまだ……。」


長椅子に腰かけた。

何か俺も落ち着かない。


「あの、喉渇きませんか?俺、何か買ってきます。」


「そうね。お母さんは、お茶でいい?」

「ええ。お願いね。」


「私もお茶をお願いするわ。」


「分かった。」