俺達は、少しの荷物だけを持って、空港に行き、莉子の故郷の長野県行きの最終に乗った。


「莉子…。」


不安にひしがれる、莉子の手を握った。

「大丈夫だから…。お父さんは必ず助かるから。」


「えぇ…。」


弱々しく微笑む彼女には、私様の顔は
何処にもなかった。

俺は、真っ暗な窓の外を見た。