そんな楓と目が合っておれは慌てて胸に添えた手をポケットに突っ込んで視線を逸らした。 「いや!?別にぃ?」 おれが必死に首を振ると、楓はクスッと笑った。 「変なのー」 そう笑って楓は芽衣の所に歩いて行った。 その後ろ姿を見つめながら再び胸に手を置いた。 何だこの胸の高鳴りは……。 おれはその高鳴りに戸惑いながら楓を見つめた。 まさか……な?