輝の腕へと伸ばしていた手をギュッと握って、あたしはその手で輝の胸を押した。
「ごめん……」
どんどんあたしの目から涙が溢れる。
「ごめん……」
きっと……輝を選んだ方があたしの為なのかもしれない。
幸せになれるかもしれない。
でも……。
「あたしっ……それでも、耀が好きっ」
どんなに輝があたしを想ってくれても。
どんなにその姿が。
その表情が。
あたしと重なっても……。
「やっぱり……かっ、がやしかっ……考えられないっの」
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