「芽衣……保健室行った方がいいよ。先ー生!」 先生を楓が呼んだ瞬間だった。 あたしの体がふわっと宙に浮いた。 え? 「オレが連れてくよ」 その声がして、気付いたらあたしは輝に抱っこされていた。 え……え? 理解できずにいると、楓は輝に声をかけた。 「じゃぁ……お願いね?」 「あぁ」 そう言って輝は歩き出した。 「ちょっ!輝!降ろしてよ」 恥ずかしさとテンパりにあたしはパニック。 だってこれは世に言うお姫様抱っこ。