「お前そんな事一言も言ってなかっただろ？」




すると輝は表情を１つも変えずに、




「だって優雅に言ったって何の得もないじゃん」




って言った。




何の得もないって……。




「だからって言ってくれてもいいじゃねえかよ」




ガックリ肩を落としながら呟く。




「言ったってお前は、茶化すかバラす事しかしねえだろ」




う……。




ご尤もです。




でもおれは目を逸らしながら口を開いた。




「そんな事する訳ねえじゃん」




チラッと輝を見ると、すっごい疑ってる目。




おれはまたすぐに視線を逸らして、口笛を吹いた。