すべて拾い終わって ようやく顔をあげた時 その人は驚いたようにオレの顔を見た。 オレも驚いた。 髪が短かったから男だと思ったのに 若い女だった。 「すいません…」 小さな声。 聞き取りづらい声で話した。 「いや、オレのほうこそ…」 そこで思い出した。 「…あ、もしかして耳悪い?」