「すいません、香里先輩…」

輝さんは、
一番近くにいたおしゃれな女の子に
声をかけられた。

「別にいいわよ。
かっこいい男の子連れてきたじゃない」

あ、オレのこと?

不思議そうな顔して
自分のこと指さしてたオレに
輝さんがこっそり耳打ちした。

「こちらは、篠田香里先輩。
ここの部長です…。

実は、香里先輩は彼氏募集中です。

かっこよくて
タイプの男の子が入ってきたりすると
すごいアタックします。

注意してください…」

「わかった」

そこで、他の声が入ってきた。

「輝?来たなら、楽器運んで」

「あ、はい…。
瞬くん、その楽器貸してください。
持っていきます…」

「いいよ。そこまで持ってく」

「あ、瞬くんっていうの?

輝はいいから、お話しない?」

さっきのとんがった声とは違って
色っぽさを出していた。

これがアタックっていうことか。
 
「いえ
楽器を運んできただけですから」

「そう…」