「…せめて見送り来いよ…」
「…。」
私は拓海に背を向ける。
後ろで拓海が歩き出した音がした。
…どうしよう…。
「美優っ」
「えっ!?」
振り向くと拓海は笑ってた。
慌ててもう1度背を向ける。
「明日の7時にあの駅だからっ」
「…分かった!行く!」
私の返事に拓海は嬉しそうだった。
でも一緒に帰る気にはならなかった。
「じゃあ先帰るから…」
「うん。バイバイ」
「気をつけて帰りなよ」
私、子供じゃないし…。
心の中で小さく笑った。
「…拓海…」
思いきって振り向いてみると
拓海はもう遠くまで行ってた。

