「…なんで北海道の大学行ったの?」
「…それは…」
「私から逃げたの?」
私はズバズバと質問する。
拓海の本音が聞きたかった。
「…そうだよ。美優の言うとおり」
「…認めるんだ」
「地元に残ったらさ…」
拓海は私から視線をそらした。
そして海を見つめる。
「美優と会うかも知れないから」
「それがイヤだったの?」
「…気まずいから…」
胸がチクリと痛んだ気がした。
つまり私がイヤで北海道に行った。
「でも夢は叶えられたよ」
「そうみたいだね…」
拓海は付き合ってた頃
私に宣言したとおりに
ちゃんと弁護士になった。
すごいと思った。
弁護士になるのは難しい
って聞いたことあるから…。

