「拓海の弟なの…?」
「だからそう言ってんじゃん」
私は藤宮くんをじっと見つめてみた。
確かによく見ると顔が似てるかも…。
「その弟くんが私になんの用?」
「喋ってみたかったんだよ」
「なんで…?」
「さぁ?興味があったからかな?」
意味不明だし…!!
私はよみがえってきた思い出を
また無理やり頭に押し込んだ。
「嫌な思い出なんだからほっといて!」
「そうなんだー」
「てかさっきのキスなによ!?」
「別に意味はないけど」
「なにそれ!?」
「キスなんて日常的なんだよ」
藤宮くんはクスッと笑った。
その笑顔に私は怒りを感じた。

