「私たちさー…」
「うん?」
「…自然消滅ってやつだよね」
拓海は小さく頷いた。
私に無視され続けた拓海は
しばらくして教室に来なくなった。
そして廊下で私を見かけると
気まずそうに視線を外に向けた。
「…申し訳なく思ったんだよ」
「河原さんとキスしたこと?」
「…それもだけど」
拓海は苦笑いした。
「美優の夏休みを無駄にしたこと」
「…ぶっ。拓海が責任感じたの?」
「そうだよ」
笑いをこらえる私を
拓海は楽しそうに見つめた。
そんな視線で見つめないでよ…。
また拓海のこと好きになっちゃうよ…。

