「ごめんごめん」


拓海はその笑顔を引っこめた。

そして真剣な表情で私を見る。


「あの夏休み…だろ?」

「うん」


あの高校3年生の夏…

私たちが付きあって
4ヵ月が経ってたあの頃…


「…美優は知りたいの?」

「当たり前じゃん」

「俺の言い訳に聞こえるかもよ?」

「拓海はそんなことしない」


私の言葉に拓海は微笑んだ。


「真実を…教えてよ。拓海」

「…うん」


拓海は窓の外を見ながら
あの夏休みの話を始めた…。