キーンコーンカーンコーン チャイムが鳴った。 「じゃあ休憩ね」 井上さんの一声に生徒たちは ガヤガヤと話しはじめた。 廊下に出る子や本を読む子もいる。 「酒井先生」 「あ、はい!」 私は必死に名簿で生徒の 名前を覚えてるところだった。 「この学校の教室とか覚えました?」 「え、いえ…」 覚えとかなきゃいけなかったかな…? 私は不安に思った。 「じゃあ…藤宮くん」 「はい」 井上さんが近くにいた生徒を呼んだ。 てか今、藤宮くんって言った!?