「ねぇ?その封書……何?」
ご飯を食べ終わり、熱いお茶を飲みながらくつろいでいた時、葵さんが、テーブルの上に置いた封書を指差して言った。
「これ?プロダクションに送ったオーディションの1次予選の合否通知」
「もう見たの?」
「ううん。たぶんダメだと思う……」
初めてのオーディション。
ほとんどがモデル事務所に所属していたり、小さい頃から劇団に入っていたり、タレントや女優になるために、努力とお金を費やして来た人ばかりだ。
私はそんな経歴も何もない。
ただ、夢を追いかけてるだけの人。
だから履歴書を送ってはみたものの、最初から受かるわけないと思っていた。



