「あ、あのぉ……」
思い切って声をかけてみた。
「ん?」
低い声で返事をする。
浜辺に寝ている……いや、寝転んでいる人は若い男性。
第一印象は綺麗な人。
女性のように透き通るような白い肌。
少しパーマのかかった、長めの黒髪。
切れ長な目、筋の通った高い鼻、薄い唇。
寝転がっていても長身だとわかる。
それに細身。
"綺麗な人"
そんな言葉がピッタリあてはまる。
この田舎町では、こんな綺麗な男性は見たことがない。
「こんなとこで……何してるんですか?」
「空見てた……」
寝転がって、空を見つめたまま彼はそう言った。
何のために空を見てるんだろう……。
空は灰色をして、見ても何も面白くない。
彼にしか見えない何かがあるのとか?
凄く不思議な人……。
「あ、あの……こんなとこにいたら風邪ひきますよ……。雪も降ってきたし……」
「あー……そうだね……」
彼は空を見つめたまま、そう答えると、上半身を起こした。



