『仕事を何だって思ってんの?』
「えっ?」
声が怒ってる……。
『シフトも組んでるのに、急に休まれたら迷惑なんだけど?俺だけじゃなく、他の人にも迷惑かかることくらいわかんないの?』
「…………でも……」
声が怒ってる。
「雪来?」
葵さんが声を掛けてきた。
私は思わず、携帯を手で押さえた。
山下さんに葵さんの声が聞こえないように……。
「雪来?バイト行っておいで?」
私は無言で首を左右に振った。
『もしもし?佐原さん?』
「あ、ゴ、ゴメンなさい……」
『昨日の男……』
「えっ?」
『昨日の男と会うんだろ?』
「違います!」
『ふーん……どうだか……』
「どう思ってもらっても構いません。とにかく今日は休みます。店長には、もう休むように伝えましたから。それじゃ、失礼します」
早口でそう言って電話を切った。



