私が飲んだ後の缶コーヒーを何のためらいもなく、ゴクゴク飲んでいく葵さん。 間接キス――。 そう思うだけで、恥ずかしくて、胸がドキドキして顔が熱くなってきた。 飲み終わった缶コーヒーをゴミ箱に捨てた。 「帰ろっか?」 「う、うん」 葵さんと駅を出る。 葵さんは、さっきのことは何も聞いてこない。 さっきまで激しく降っていた雪は止み、夜空には月が出ていた。 微妙な距離で並んで歩く。 月に照らされた少し明るい道を無言のまま歩いた。