駅に着いた。
街灯の明かりだけが駅を照らしている。
駅前には誰もいない――。
「誰もいないよ。やっぱ、もう帰ったんじゃない?」
そんなことはない。
だって……約束したから……。
「たぶん駅の中で待ってるんだと思います。ありがとうございました」
私は早口でそう言って、車を降りた。
車の中のポカポカと暖かいとこから雪が降る寒い外へと出からか、体がブルブルと震えた。
葵さんは絶対に待ってる。
私は駅の中に入った。
でも……。
駅の中には誰もいない……。
あれ?
どうしんだろう?
アパートに帰っちゃったのかな?
気ばかりが焦る。
改札からホームを見る。
田舎町の小さな駅。
改札からホームは全て見渡せる。
隅から隅まで見る。
やっぱり誰もいない……。



