スノードロップ―秘密の恋―





「嫌がらせですか?」



テーブルを片付けながら言った。



「は?」


「私を帰らせないようにしたいんですか?」


「何言ってんの?」



山下さんが鼻で笑う。


今までだったら、山下さんは仕事が途中でも駅まで送ってくれた。


バイト仲間の子が送ってくれると伝えても「急ぎの仕事じゃないから」と言って、駅まで送ってくれた。


だからこんなことは初めてで……。


今朝のこともあったから嫌がらせにしか思えなかった。



「クロスは金曜日まで変えません。店長には私から伝えときます。それに送って頂かなくて結構です。歩いて帰りますから」



私は、そう言うと、片付けたグラスや食器の乗せたワゴンを押して、ホールを出た。