「駅の中から出て来たけど……どうしたの?」
運転中の山下さんは前をまっすぐ見ながら聞いてきた。
「知り合いを駅まで送って来たんです」
「へぇ……で、その知り合いは男?」
山下さんが私をチラッと見てニヤッと笑った。。
「えっ?」
思わず私も山下さんを見た。
"男"
そう聞かれて動揺してる私がいた。
「ち、違います」
「ふーん……その男は彼氏?」
「えっ?だ、だから違いますって!男でもなければ彼氏でもありませんから」
自分でも何で否定したのかわからなかった。
山下さんとは、ただの社員とバイトの間柄。
私は山下さんのことは何とも思っていない。
嘘つく必要ないのに……。
「そうなんだ……」
山下さんはそう言うと、再び私の方を見てニヤッと笑った。
何故かその笑顔が怖いと感じてしまった――。



