「家を出て行けって言われてさ……」
「えっ……何で?」
大学受験に失敗しただけなのに……。
「俺は出来損ないで、設楽家の恥だから」
「…………酷い」
思わず口から漏れた言葉。
体を上に向けて、天井を見つめる。
「幼稚園から高校まで順調にやって来て、大学受験の失敗で、初めて絶望を味わった。でも親に勘当されたことで、心の中の張り詰めてたものが切れちゃったんだ……」
葵さんの話しを聞いていた私の目には、いつの間にか涙が溜まっていて、暗い天井が涙で歪んで見えた。
瞬きすると、目尻から流れた涙は耳の後ろを濡らしていた。



