「俺の夢はさ、医者になることだったんだ……」
「お医者さん!?」
思わず口から大きな声が出てしまった。
「俺の親父は、T大の附属病院の心臓外科医で、おふくろは産婦人科医で、小さい頃から何個も塾に通って、親からは医者になることだけを言われて続け、有名私立の幼稚園、小学校、中学校と高校と通ってさぁ……。完全に親の敷いたレールに乗せられてた。でも成績が良かったら褒められて、それが嬉しくてさぁ……。俺自身も医者になるのが夢になってた」
私は、ただ葵さんの話しを黙って聞いているだけだった。
てか、葵さんって……お坊ちゃまだったんだ……。



