「葵さんは?夢はないの?」
「俺?」
「うん」
私は寝返りをして、体を葵さんが寝てる方に向けた。
「この年になると夢なんてないよ」
葵さんがクスッと笑う。
「どうして?年齢なんて関係ないと思うよ?」
「昔はあったよ……夢……」
「そうなの!?」
私は思わず、上半身を少し起こして、葵さんを上から見る格好になった。
「葵さんの昔の夢って何?」
「聞きたい?」
頭の後ろで手を組んで、天井を見つめていた葵さんは、そう言ってこっちを見た。
「…………うん」
何だろう?
葵さんが"聞きたい?"と言った顔は、どことなく寂しそうで……。
聞いていいんだろうか?という思いが込み上げてきた。
「でも……話したくなかったらいいよ……」
「いいよ。雪来に教えてあげる」
葵さんはそう言って、静かに話し始めた。



