「雪来?起きてる?」
「うん……」
豆電だけがついた暗い部屋。
私はベッド。
葵さんはラグの上に、座布団2枚を縦に並べて敷布団の代わりにして、毛布をかけて寝ていた。
今は何時かわからない。
たぶん夜中だろう……。
明日はバイトがある。
早く寝なきゃいけないのに、なかなか寝付けなかった。
「雪来はさ……何か夢とかある?」
「私ね……昔から女優になるのが夢なんだ……」
「そっか……女優かぁ……」
「うん。今はフリーターしながら小さな劇団に入ってるんだけど、いつか東京に行きたい。親の反対を押し切って、夢を叶えるために今の生活してるから、だから絶対に東京に行って、女優になりたいんだ」
「雪来は可愛いから女優になれるよ。もし雪来が女優になったら俺がファン1号になるから」
「うん……。ありがとう」
"ファン1号"
その言葉が凄く嬉しかったんだ――。



