「私もね、名前が気に入ったんだ。"雪の雫"なんて素敵な名前だよね。しかも、園芸店の人が、スノードロップは1月1日の誕生花だって教えてくれて、それで買ったんだ」
私はそう言うと、立ち上がり、葵さんの隣に立った。
「タバコ吸っていい?」
「うん」
葵さんの手には、タバコと携帯灰皿が握られていて、タバコを咥えると火をつけた。
「煙たくない?」
「ううん、大丈夫」
私は軽く首を左右に振った。
ベランダの柵に手をかけて、タバコを吸う葵さんは凄くカッコイイ。
「誕生花ってのがあるんだね……」
「うん。私も知らなくて、園芸店の人に聞いて初めて知ったんだ」
「そっか……。じゃー……スノードロップの花言葉は何だろうな?」
「うーん……何だろう?わかんない」
私は柵に背中を向けて寄り掛かった。
「俺もわかんないや」
葵さんはそう言って、タバコを灰皿に押し付けた。
「早く花が咲くといいな」
「そうだな」
葵さんが笑顔でそう言った。
スノードロップが咲いたら、葵さんと一緒に見れたらいいのにな……。
たぶん……きっと……一緒に見れるよね?



