「なーんてな」
「えっ?」
逸らしていた目を葵さんの方に向けた。
葵さんは私から離れて笑っていた。
さっきの意地悪そうな笑顔じゃなく、いつもの笑顔。
「冗談だよ」
葵さんが"アハハ"と笑う。
私も力無く笑った。
何だ……冗談か……。
「本気にした?」
「う、ううん」
私は笑いながら首を左右に振った。
「ご飯、ごちそうさま。美味しかったよ」
「良かった」
「シャワー……浴びてきていい?」
「あ、うん」
私はそう言って、葵さんに真新しいスウェットと下着を渡した。
「ありがとう」
笑顔でスウェットを受け取った葵さんは、お風呂場に行った。



