さっきまで座ってた場所に彼が座る。
彼の向かいに私も座る。
「あの……必要なもの……あります?」
「必要なもの?」
「下着とか服とか……歯ブラシとか……」
「一応……この鞄の中には入ってるけど……」
私は彼の傍に置いてあるスポーツバッグに目を移した。
小さなスポーツバッグ。
沢山、入ってるとは思えない……。
「あの!私、買って来ます!」
そう言って、立ち上がろうとしたら……。
「ちょっと待って?」
と、彼に呼び止められた。
「何でしょう……」
その場に座り直す。
「とりあえず、自己紹介しない?」
あっ!そっか……。
まだ私も彼もお互いの名前を知らないんだった……。



