「あの!」
そう叫んで、玄関まで行った。
彼はスニーカーを履いた後で、玄関のドアノブに手をかけていた。
「ん?」
ドアノブを持ったまま振り返る彼。
「あの……これから、どうするんですか?」
「うーん……とりあえず、住み込みで働けるとこを探すかな……」
「…………だったら!」
私は、彼の顔を見た。
不思議そうに私を見つめる彼。
胸は今にも、張り裂けそう。
見つめ合う私と彼。
早く言わなきゃ……。
言わなきゃ……彼が行っちゃう……。
シーンとした玄関。
私の張り裂けそうなくらい激しく鳴り続ける心臓の音だけが、自分の耳だけに響いているような感じがした。
"はぁ"
と、小さく深呼吸をして、私は口を開いた。



