「あの……一昨日までは、どこにいたんですか?」
「ん?東京」
「東京!?」
私は目を見開いて、彼を見た。
私の憧れの地。
女優になるために、東京に行くことだけを考えて今までやってきた。
そこから彼は来たんだ……。
でも何のために?
こんな田舎に来たの?
東京にいれば、働くとこは沢山あるはず。
彼くらいの容姿だったら、ホストやモデル……俳優にだってなれそうなのに……。
「あの……聞いてもいいですか?」
「うん。いいよ」
「どうして……この町に来たんですか?」
「海が見たかったから……」
彼はそう言って、ニコッと微笑んだ。



