葵さんの見開いた目から涙がこぼれ落ちる。
「雪来……ゴメンな……俺……」
「どうして謝るの?」
「だって、俺……雪来の夢を……」
「後悔してないって言ったでしょ?私は雪華を生んだことを後悔してないの。女優になる夢より、愛する人からもらった大切な宝物をこの手に抱けたことの方が凄く凄く嬉しかったんだから。もしのあの時、雪華をおろしてたら、今、もっともっと後悔してると思う」
「雪来……」
私は葵さんにニコッと微笑んだ。
「ママー!」
雪華こっちに走って来た。
「ママ、おなかすいた~」
「ゴメンゴメン、帰ろっか?」
「うん!」
私は雪華の手をギュッと握った。
「おじちゃん?どうしたの?おなかいたいの?」
雪華は涙を流している葵さんの顔を心配そうに見た。
「ううん。おじちゃんはな、嬉しくて泣いてるんだ」
葵さんは雪華の頭を優しく撫でた。



