それからしばらくして、チェストの1番上の引き出しから、お金の入った封筒が出てきた。
今まで私が葵さんに渡していたお金と同じ額のお金。
それは私が渡していたものなのか、それとも葵さんが元々、持っていたものなのか、今となってはわからない。
それから、同じとこから、私が破り捨てたオーディションの合否の結果が書かれていた封書が出てきた。
破ったとこにはセロテープで貼り付けてあった。
封筒の中に入ってる紙を出した。
合否の結果は"合格"だった。
でも私は葵さんに嘘をついた。
夢を捨ててでも葵さんと一緒にいたかった。
だからオーディションの合否の結果が入った封筒を破り捨てた。
でも葵さんはそれを拾って、セロテープで貼り付けてチェストの中に戻してた。
もしかしたら、あの時点で、私が嘘をついてたのがわかったのかもしれない。
でも、これも今となってはわからない。
だけど、私の前から姿を消したこと。
そして破り捨てた封書を元に戻したこと。
どうして葵さんは、そんなことをしたのか……。
今ならその答えがわかるような気がした。
それは……。
私の夢を叶えさせるため――。



