『次のニュースです』
テレビは夕方のニュースをしていた。
テレビはいつもBGM代わり。
『今日、17時頃。○○警察署に自首してきた設楽葵容疑者を詐欺の容疑で逮捕しました』
えっ…………。
私はテレビの画面を見た。
握っていた携帯が手から離れ、床に落ちた。
テレビには警察署が写し出されていた。
その下には"設楽葵容疑者(25)"とテロップが出ていた。
『設楽容疑者は何個もの偽名を使い、女性達から金品を騙し取り、被害に遭った女性から、被害届が出ていたことから逮捕した模様です。次のニュースです……』
私は体の力が抜けて、その場にしゃがみ込んでしまった。
うそ……。
"もし……俺が、犯罪者だったらどうする?"
葵さんの言葉が頭を過ぎる。
何かの間違いだよ。
同姓同名かもしれない……。
だって、葵さんは罪を犯せるような人じゃない。
「あっ……電話……」
私は震える手で床に落ちた電話を取った。
携帯を開いて、葵さんの携帯に電話をかけた。
葵さんが電話に出ることを願って――。



