スノードロップ―秘密の恋―




アパートに帰ると、部屋の電気が消えていた。


あれ?


葵さん……まだ、帰ってないのかな?


玄関の鍵を開けて、中に入り、部屋の電気をつけた。


洗濯物がきちんと畳まれて置いてあった。


キッチンは朝ごはんの食器が洗われていて、水切りカゴの中に置いてあった。


もしかしたらハローワークの帰りに、どっか寄ってるのかもしれない。


後でメールか電話してみよ。


私はテレビをつけて、ベランダに出た。



「あっ!」



昨日まで蕾だったスノードロップが小さな白い花を咲かせていた。



「咲いてる……」



可愛い小さな花。


雪の雫――。


その名の通り、白い花びらが、下を向いた姿が雫に見える。


私は、植木鉢の前にしゃがんで、コートのポケットから携帯を取り出して、スノードロップの写真を撮った。


そして、携帯を手に持ったまま部屋の中に入った。