「あ、あのぉ……」
再び彼に声をかけた。
「ん?何?」
彼は、そう言った後、パーカーのポケットからタバコの箱を取り出した。
箱から1本タバコを咥えると、パーカーのポケットからライターを出して、タバコに火をつけた。
白く綺麗な長い指に挟まれたタバコ。
海を見つめたままタバコを吸う姿に"ドキッ"と胸が鳴った。
「これから……どうするんですか?」
もしかしたら、どこか行くとこがあるのかもしれない。
「うーん……どうしようかなぁ……。このまま海を眺めてるのもいいかも……」
彼は、やっぱり不思議な人だ。
「あの……こんなとこにいたら風邪どころか凍死しちゃいますよ……。だから……その……もし良かったら……うちに来ます?」
「えっ?」
彼は驚いたような声を出すと、私の顔を見上げた。



