”神撰組……?”

「神に撰ばれし者……すなわちそれを意味する者、共通点は超能力(エスパー)」

勇の言葉が力強く響く。

「どうしたの?」

「あ、いや」

俺は情けなくも頭の中が真っ白になって、説明されていることを理解するだけで精一杯だった。
冥の呼びかけにも答えるだけの語彙が見つからない。

「俺たちは課せられた任務を遂行するために、その力を持って闘い続ける……それが神撰組の宿命なのさ」

「そういうこと!分かったなら行くわよ!」

「行く?──ってどこへ?」

俺は二人の顔を交互に見比べる。どうやら理解できてないのは自分だけのようだ。

「調査よ、調査!ほら、早く!!この地図の赤丸の上に手置いて」

まさか、あの力を……。

「じゃ、頼むな、冥」

「了解!」

俺は彼女に勧められるまま、半ば強制的に地図の上に手をかざした。



本日、二回目の瞬間移動!



「あれ?!」

「ちょっとどうしたのよ?何も起きないじゃない」

さっきは確かに光って……。
念が足りないのか?



「どうやら、まだ君は自分の力がコントロールできないみたいだね。超能力が自在に扱えるようになるにはまだ時間がかかるようだ。今はまだ一日一回が限度だな」

「何よ、それ!」

「残念だが、地道に行くしかない……か。冥、俺のバイクを貸してやるよ」

「は~~い」

冥のため息が俺の背中越しにはっきりと聞こえてきたのだった。