「私の名前は土方冥(ひじかためい)、よろしくね」

彼女は現実を受け止められてない俺を見越してか、先に自己紹介をしてきた。

「俺はこの組織の長、近藤勇(こんどういさむ)だ」

続けて、電話のあの男も。

「あの──、えっと俺は沖田総太……」

なんて言葉を続けたらいいのか分からなくて、まだ頭の中がパニックを起こしている。

「……君には組織のことを詳しく話さなければな」

「組織……?」

怪しい団体とかじゃないよな。
よくあるじゃん、何しているんだろうあの人たちみたいな……上手く説明できないけど。

「大丈夫だ、お前が考えている程、単純なものではない」

……この人、もしかして俺の考えていること──、


心の中が分かるのか?


「隊長の能力は『読心』人の心が読めるよ」

「ってことは……お前も特別な能力を?」

「もちろん!前にも言ったでしょ。この組織に入るには『超能力』が必要不可欠だって」

超能力を持った者たちの集団。
そしてこれは、単なる偶然ではなく、必然的に集められた。



「俺たちは警察の極秘裏捜査を手掛ける『神撰組』(しんせんぐみ)だ」