後悔先に立たず。

冷静になって考えてみれば、思いっきり怪しい貼紙だよな。
なんで電話なんかしたんだろ。
何の躊躇いも無く、まるで誰かに操られているかのようだった。


「!? 」


そうだ!あれに住所とか書いてあるんじゃ──


「そんな都合よくはいかないか」


相手の手掛かりとなる、あの番号以外は住所も会社名も書かれていなかった。

「やめた、やめた。バイトなんていくらでもあるさ」

こんなことに時間を使っている自分が、段々とバカバカしく思えてくる。
気を取り直し、俺はコンビニへ向けて再び歩くことにした。



キミハ
マダ
気ヅイテイナイ

キミニ与エラレタ


運命ハ動キ始メタ……。



誰かの囁く声。
周囲を見回してみても人影は見えない。

「気のせい……なのか?それとも──」

もう一度振り返り、あの紙が貼られている場所を見た。


何か強い念みたいなものを感じる……どうやら気のせいではないみたいだな。

俺は少しずつ近づくと、恐る恐るその上に右手をかざした。