「ご名答……と誉めてやりたいとこだが、気がつくのが遅そかったな」

「何!?」

「悪党どもは俺たちが掃除してやった。フフフ」


──悪党ども!?


俺は彼の言葉に反応して辺りを見回した。

「これは……」

冥の言葉の方が早かった。
俺たちが追っていた浦野たちの無惨な姿がそこにはある。

どうやら血のニオイの元はこれらしい。



「待て!何も殺す必要はなかったハズだ!何故、殺した……?」

河上という男はこの場から去ろうとして、近藤さんの方を見た。

「忘れたのか?俺たちの目的は一つだったハズだ」

「……河上」

「ま、今のお前にはそんなことは昔の戯れ言だろうけどな」

そう言い放ち男は去って行った。



近藤さんとこの男の間に何があったのだろう──

それはまだ俺は知らない領域……これ以上聞いていいものなのか。



「近藤さんとあの男は昔、悪人斬りをしていた暗殺組織『天誅』でパートナーを組んでいたんだ」

永倉さん……

「私も聞いたことあるよ。中でも二人は最強と言われていたって」

永倉さんも冥も詳しいとこまでは知らないようだ。

こんな俺でも一つ感じたことがある。
それは──

神撰組の本当の『敵』は奴ら(威神)なのかもしれないということ。